萩生田光一「身の丈」発言でわかる英語民間試験の不公平感とは?

萩生田文科相政治・社会
引用元:J-CASTニュース

安倍新内閣の萩生田光一文科相はニュース番組で大学入試に導入される英語民間試験

をめぐり、受験生に「自分の身の丈に合わせて頑張って」と述べていた。

これを29日に発言を撤回している。

そして、英語民間検定試験の成績を大学に提供するための「共通ID」の受付が始まることに

なっていた11月1日早朝に萩生田光一文部科学相が記者会見で、大学入学共通テストへの

英語民間検定試験の導入を、2020年度は見送ると発表した。

大学入試改革の英語民間試験は、2024年度以降の導入が検討されることになった。

英語民間試験の成績を利用する入試を実施予定だった大学は、出願資格や選抜方法の見直しを

迫られることになった。

この記事では「身の丈発言」当時の記事なので延期については本文では触れていない。

こうした大臣の失言の例はあげればきりが無いが、そもそもの英語民間試験を文科相として

どう考えていたのかと実際の不公平感がないのかをみていきたいと思う。

スポンサーリンク

萩生田光一「身の丈」発言の要旨と全文

萩生田光一「身の丈」発言の要旨と全文を記載。

Q.お金や地理的な条件で恵まれた人が受ける回数が増えるのであれば不公平にならないか?

A.(不公平とみるのは)「あいつ予備校通っててずるいよな」と同じ。

裕福な家庭の子が回数受けて、ウォーミングアップができるかもしれない。

身の丈に合わせて」、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえば。

(反町)英検とかTOEFLとか民間の資格試験を使うということはですね、お金や場所、地理的 な条件などで恵まれている人が、受ける回数が増えるのか、それによる不公平公平性っていう のはどうなんだと、ここの部分はいかがですか?

(萩生田)そういう議論もね、正直あります。ありますけれど、じゃあそれ言ったら、「あいつ予備校通っててずるいよな」って言うのと同じだと思うんですよね。だから裕福な家庭の子が回数受けて、ウォーミングアップができるみたいなことは、もしかしたらあるかも知れない けれど、そこは自分の、私は身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえば、あのー、できるだけ近くに会場を作れるように、いま業者や団体の皆さんにはお願いしてます。あんまり遠くまでね、だけど、人生のうち自分の志で1回や2回は故郷から出てね、試験受けるとかそういう緊張感も大事かなと思うんで、あのその辺できるだけ負担が無いように、色々知恵出していきたいと思ってます。離島なんかは既に予算措置しましたんで、はい。

引用元:10月24日(木)のBSフジ「プライムニュース」

受け答えも稚拙であり、受験回数が同じなのか複数回を自由に受けられるのかを明言できず

もしかしたらあるかも知れない」と大臣の言葉から出るのは明らかにおかしい。

「身の丈」発言は、受験者をバカにした表現ネットで拡散されたが、問題の本質は

大学受験制度の変更が憲法に基づく教育基本法の「教育の機会均等」を否定する

システムになりうることを予見できなかったことにある。

そして、システムの欠点を指摘すべき立場だったのに、ニュースのフリートークで墓穴をほった

形となった。

尚、萩生田文科相は28日に、不公平感を容認しているという指摘に対し

①「どんなに裕福でも2回しか結果は提出できないので、試験の条件は平等な制度

と回答し、2回を超える受験を認めた上で

②「(民間試験なので、全ての人が本番の)2回しか受けてはいけないというルールには

なかなかできない

としている。

①は不公平性をまだ理解できておらず、ワキが甘すぎ「民間試験導入を延期」の口実を

野党に与えてしまった。

②はある意味正解であり、システムが不公平(不完全)な試験制度と認め公表した

ことは大きい。

29日の「憲法と教育基本法の規定に基づき、どのような環境下の受験生も自分の力を

最大限発揮できるよう積極的な措置を講じる」

との発言は自分で考えたのか疑わしいし言葉を並べた努力目標不公平感がなくなる

展望がない。

29日の発言撤回も上から言われて持論を曲げて、ちょこっと頭を下げた感じである。

自分も早稲田実業から早稲田に行けず、一浪して明治に行ってるので、不公平感を

共有できていたかのようにも感じる。

(萩生田氏の場合は停学2回や警察に厄介になったことで、早稲田に行けなかったので

早実の制度自体には全く問題ない。)

スポンサーリンク

英語民間試験の不公平感

受験を済んでしまった社会人は

あれ、大学試験また変わるの?

まあ、受験生は可愛そう!

ですみますが、受験生にとっては一大事です。

2021年度からに大学入試改革が改変され「大学入試センター試験」の後継である

大学入学共通テスト」は、最初の試験が2021年1月に実施されます。

思考力・判断力・表現力」を一層重視する問題形式に改変されます。

そして「大学入試英語成績提供システム」が導入されます。

狙いとしては、これまでの「読み」reading、「書き」writing、「聞く」listening

に加え「話す」speakingで4機能を総合的に判断する試験を民間機関を使って

おこないます。

採点基準の基本的考え方はEUなどの海外の事例の語学コミュニケーション能力

のレベルを示す国際標準規格を取り入れた制度になっています。

そして、IDカードで申請し、受験をするのでそのうちの先行2回までが大学に

送信されるので、総論は有識者で考えられた制度は良いもののように感じます。

※システムに登録できるのは、高校3年生以降の4~12月の間に受験した

最大2回までの成績のみ

しかし、各論の詰めが甘く

  1. 民間機関は多数あり、問題も違えば採点方法も違う選択が複雑
    一例を上げれば、speakingは対話面接タブレットでの音声入力がある
  2. 試験料金の体系が異なるし、そのための試験対策コストも一律でにない。
  3. 高校3年生3月以前ならお試し受験が可能(文科相指摘のとおり)
  4. 離島の補助は検討されるが、それ以外は交通費がでない
  5. 情報が多すぎて試験対応が上手な塾や学校の先生がいる方が有利
  6. 配点(加点)割合が非公表であり、大学ごとにも異なり標準化されていない
  7. 大学で指定民間機関が違う

などがあげられる。

文科相もこのような問題点はレクチャーを受けていたと思われる。

現在の英語のコミュニケーションを重視した高校教育は現代社会にマッチして良いと思う。

昔の文法や英作文で中高英語学習を6年間しても外国人とまったく話せない教育方法から

大きく変わった。

授業でおこなってる会話を採点したいのはよくわかり、一度の受験会場で集めても試験は

不可能なので外部の民間機関(専門家)というのもわからなくない。

でも、丸投げで、相手のやり方に介入しなくて良いのかというのもあるのでは。

全国の高校英語教師の精鋭が草案を作り、大学教授の方に見てもらって

民間機関で場所とツールは使うが問題の構想や原案は学校教育側がつくる産学連携が

正解な気がする。

現場の高校教師であれば、当事者の受験生の気持ちがわかると言える。

また、それぞれの民間試験会社の対策本が販売される。本来、国際的なレベルの

語学コミュニケーション能力を狙いとしてきたが、特定機関の学習スキルの習得に

すり替えられかねない。

スポンサーリンク

萩生田光一の文科相の適性

萩生田光一氏の文科相の適性は100点満点中10点ぐらいであろうか。

文科相としては入試改革は一大イベントであるが緊張感がまったくない。

おそらく何を自分でやったらよいか自己判断できていないのだろう。

自民党も試験がトラブルが発生すれば「やっぱり」ということになる。

国語や数学に記述試験が設けられ、ベネッセ1社が落札したと報道

されている。

これで、大学入試改革の記述式英語民間試験eポートフォリオのすべてにベネッセが

関わる。大学入試改革に経営資源を投入するのはいいが、今後の高校生模試

教材の営業活動も実質、独占される懸念がある。

 

この大学入試改革は斬新で優秀な学生を合格させやすい制度なのですが、

イマイチ詰めが甘すぎ不公平感が強すぎます。

消費税を上げているのだからそこに投資して、英語民間試験は一律3,000円程度の

受験料に統一してイメージアップをしてもらいたい。

また、地方の受験者の交通費負担も離島以外の遠隔地も考慮してほしい。

受験回数も高校教育用大学試験と民間オリジナル試験とは別にしておけばある程度

公平感は保てると思う。

このあたりは、萩生田文科相が動いて高校生の生の声や高校教師などの声を

ネットを使った公開ミーティングなども良いかと思う。

できれば、文科省のエリートも同席させてほしい。

萩生田氏は失言はしたが、そもそもの「英語民間試験」の

システムを修正する力がないわけではない。

自身も受験に苦労してるのでエリートではない。

良い試験制度をつくりたいというマインドにはチャンスを与えて良いと思う。

※この人の場合、意識改革は絶対必要です。

スポンサーリンク

まとめ

萩生田文科省の「身の丈」発言は、その上から目線の言葉でネットを中心に拡散され

大きなニュースとなった。

このミスの初動対応を間違えて火に油を注ぎ、発言を撤回している。

これが、いい意味では英語民間試験が受験生のことを何も考えていない教育改革である

ことを白日のもとにさらした言える。

野党はイメージアップ戦略をとり民間試験の延長法案発言直後に出して有権者の

支持を得ようとしており、与党は失言でつけいるスキを与えてしまった。

(代替案がなしのただの延期は魅力ある政治手法ではなくあげ足取りだけで

有能な政治家の集団ではない。改革法案にしてほしかった。)

元はと言えば英語の民間資格・検定試験のやり方の詰めの甘さがあるので

制度上の不備システムの欠陥は早めに大々的に公表してほしい。

対策として高校教育と連携して公平でよいものをつくり、世界の教育情勢に

対抗しうる仕組みを国民全体で議論できるテレビ番組やインターネットサイトも

活用してほしいと思う。

このあたりの指揮を萩生田文科相がとると名誉挽回でカッコイイかも。

タイトルとURLをコピーしました