中国から広がり全世界を恐怖に落とし入れているコロナウィルス。
特効薬がなく封じ込めが難しそうで日本でも感染者が爆発的に増えないか
懸念されています。
ようやく政府も新型コロナウイルス感染症対策本部でイベントの中止などを要請し
国内での感染の広がりを防ぐための具体策を打ち出しました。
しかし、この対策で良いのかと思うことがありましたので備忘録として
4点不満を書かせていただきます。
コロナウィルス対策の厚生労働省の対応に4つの疑問
日本のコロナウイルス対策が後手後手になっている印象があります。
海外からの反応や死亡者が出始めてようやく重い腰を上げた感があるのは
以下の理由からです。
- 水際対策で中国全域を封じ込めていない
- マスクの品薄解消を民間企業頼みで依頼しているだけ
- 検査体制ができていない
- 治療方法がなく代替案があいまい
では、順にみていきます。
1.水際対策の中国対応が不十分
これまでも中国の一部の地域からの入国制限をするなどの対応をしてきて
いますが何故か中国全土にしていません。
中国・湖北省または浙江省から日本へ帰国される方は、検疫官に申告する義務があります。
帰国より14日以内に湖北省または浙江省での滞在歴がある場合、検疫官からの指導に従い適切な行動をしてください。引用元:厚生労働省
日本の現在の感染者は2月26日時点で160名前後です。
ズバリの人数がわかりにくくなっており、下の中国のリアルタイムで見られる
アプリのような表現がわかりやすいかもしれません。
1.国内の状況について
2月26日12:00現在、147例の患者、17例の無症状病原体保有者が確認されている。【内訳】
・患者147例(国内事例136例、チャーター便帰国者事例11例)
・無症状病原体保有者17例(国内事例13例、チャーター便帰国者事例4例)
うち日本国籍129名、調査中19名である。引用元:厚生労働省
下が中国のコロナウィルスの状況を可視化しているサイトです。
杭州・医療系ユニコーン企業「丁香園」の速報サイトは医療サイトでもあり、多くの中国人がこのサイトから新型コロナウイルス(COVID-19)の最新情報を確認しているようです。
「丁香園」ではほぼリアルタイムで情報が更新されており、地図やグラフなどを活用して一目で現状の数値を確認することができます。
引用元:訪日ラボ
ここで大事なことは、日本が160人の感染者で重大事だと考えているのであれば
「湖北省または浙江省」としていますが、他の地域で160人を超えているところは
数多くあり、かなり雑な整理で水際対策をおこなっているのがわかります。
次は「表」で地域別の感染者を示しています。
茶色の「累計○○」の列の数字がこれまでの患者数です。
そもそも入国制限は中国の一部の地域なので自己申告に頼るところが大きく
厳しい規制にはなっていないのではないでしょうか?
習近平 訪日
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の延期が決定した一方で
日中両政府が4月上旬で調整している習近平国家主席の国賓来日は
予定通り実施されるようです。
これが前提になれば当然、中国の入国制限も甘くなるのも仕方ない
かもしれません。
中国政府より日本政府が習近平国家主席の来日を望んでいるのは
中国人観光客を逃すわけにもいかずインバウンド喪失をおそれているかもしれません。
7月のオリンピックに向けて中国選手の来日
7月24日開催の東京オリンピックに向けて中国選手や応援団が来日します。
これも中国に規制を強くできない理由のひとつかもしれません。
ただ、IOCのディック・パウンド委員のが3カ月後の5月に事態が収束していなければ、
「おそらく中止を検討するだろう」と発言していますね。
ここは勇気を持って中国全域、韓国からの入国は厳しく制限するなどの対策に
転じてほしいです。
※下は先程の「丁香園」の速報サイトでの世界の国別のコロナウィルス患者数の
速報です。
2位が韓国なので入国制限しても良いのではないでしょうか。
また、ここで気づくのが地つながりのロシアには感染者が広まっていないことです。
中国の漢字表記でロシアがどれかわかりずらいのですが、あるサイトでは2人と
ありました。
これは、初動対応でロシアが中国からの入国制限を厳しくしたことが
幸いしたともいわれています。
2.マスクの手配を民間企業に依頼しているだけ
中国や韓国で大きな問題となっていたにも関わらず日本はまだ大丈夫と
思っていた政治家の方もいらっしゃったように思います。
マスクの寄付を中国に100万枚おこなうのは良いことですが、日本での
マスク品薄状態の解消に初動で手をつけてほしかったです。
鳩山由紀夫元首相(73)が、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国に100万枚のマスクを送ったことを報告するとともに、「日本のマスクの流通に影響が出ることはないのでご安心下さい」と説明した。
引用元:日刊スポーツ
政府の発言から聞けるのは
「在庫が過剰になった場合、国が買い取るので生産体制を強化するよう指示した」
の旨の内容で経過の数値報告がいつもありません。
現場に厚生省の官僚が派遣したり、対話をして進捗内容をリアルタイムで報告させる
などの可視化できる対応は全く無く品薄の不安は収まらない状況ですね。
中国で生産しているメーカーが大半ですので生産ラインが日本向けに出荷する量を
現地工場が中国にコントロールされていないか不安です。
中国ではまだまだ不足している状況なので日本出荷分を中国内流通網に流して
しまうのは簡単にできそうです。
会社や学校、人が集まる場所ではマスクの着用が要求されますので
花粉症の時期にも重なるので需要は膨らむばかりです。
「毎週1億枚以上のマスクを消費者に届けます」としながら
「必要な分だけ買いましょう」とも示しています。

引用元:厚生労働省
仮に週に50枚を購入すると以下の計算になります。
1億枚(週) / 50枚(人・週) = 200万人(週)
これが多いのか少ないのかの判断は人によって違うかもしれませんが
私は少ないと思います。
ほとんどの方が思われているように1億はどこからきた数字か根拠が
わからないし、いつから供給されるかも不明なのが問題です。
現在も、通販でも転売ヤーが高値で売りつけています。
3.検査体制ができていない(受けられない)
コロナウィルスの市中感染が広がり、熱が続いた場合は病院に行って検査を
受けたいところですが病院では検査ができません。(検体の採取はできます。)
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合 (解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。) ・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合 また、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、これらの状態が2日程度続く場合は、帰国者・接触者相談センターに相談してください。 妊婦の方は、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに相談してください。
引用元:厚生労働省
現状は「帰国者・接触者相談センター」のもとで一部の保健所が機能していると見られます。
この窓口が必要と認めた場合、患者に病院を受診してもらい医師が感染の可能性ががある
と判断された場合にPCR検査をおこなうようです。
患者の咽頭ぬぐい液や痰を検査材料として、遺伝子増幅法(リアルタイムPCR検査やPCR検査)等を行います。
国が決めた条件に合った患者がいた場合、医療機関から保健所に連絡があり、検査をするか検討します。検査は、地方衛生研究所や国立感染症研究所で行います。
患者又は医療機関の希望による検査は行っていません。
引用元:東京都感染情報センター
PCR検査時間の問題
この検査は6時間ぐらいかかるとも言われていますが、検査場所まで運ぶ時間を含めると
結果がでるまで1日から2日かかります。
PCR検査精度の問題
鼻から検体を採取する場合の方が検出率が高くなるのですが、くしゃみなどをしてしまい
飛沫にさらされるおそれがあり、のどをぬぐった液が使われることが多いそうです。
そのような体制なので精度にバラツキがあるようです。
すべての感染例を拾うことには限界がある検査です。また、陽性の結果が得られても、そもそも日本国内の有病率(事前確率)が低いので、陽性的中率は低いと考えられます。
引用元:ヤフーニュース
高齢の持病をもっていて感染し亡くなる方がいらっしゃるので、優先的に検査を受けて
いただけるような体制になってほしいですね。
尚、行政検査として行うので患者さんや病院への費用負担は発生しないのは助かります。
病院を受診する際に注意すること
発熱が4日以上続くなどの厚生省で指定した症状があれば
「帰国者・接触者相談センター」に連絡し病院受診の判断をしてもらいましょう。
病院に行く場合は、インフルエンザと同じように、入り口が別になっている
ところとなります。
医師に症状を伝え胸部レントゲンやCT検査などで肺の像を見てもらい検査を
すべきか判断してもらいます。
4.治療方法がなく代替案があいまい
現在、コロナウィルスの治療薬はなく、対処療法を受け安静にしているしかないようです。
新型コロナウイルスによる感染症に対する特別な治療法はありません。脱水に対する
補液、解熱剤の使用などの対症療法が中心となります。一部、抗 HIV 薬(ロピナビル・リ
トナビル)や抗インフルエンザ薬(ファビピラビル)などが有効ではないかという意見もあ
りますが、まだ医学的には証明されていません。新型コロナウイルス感染症による死亡の原
因に関しての情報は限定的ですが、高齢者における死亡例が多いことからも二次性の細菌
性肺炎の合併には十分注意する必要があります。ステロイド等の使用に関する知見も不十
分です。本邦において新型コロナウイルスの分離・培養が成功したことから、新型コロナウ
イルス感染症に対する特異的な治療薬の開発が期待されるところで、上記の薬剤を含む臨
床試験が準備中です。引用元:日本環境感染学会
陽性反応が出た場合は感染症法に基づいて入院措置になっていましたが
その後、風邪症状が軽度のような場合は、自宅での安静・療養が原則となっている
ようです。
この治療薬がない問題は世界の問題であり、日本だけではありません。
私が理解したのは以下のフローです。
症状が続く(自分の判断では医者に行かない)
↓
「帰国者・接触者相談センター」に電話
↓
受診の指示があれば医療機関へ
↓
医師が検査をおこなうか判断、感染の可能性があれば保健所へ連絡し検体採取
↓
陽性反応が出たら対症療法後、安静
治療薬がなく安静が一番望ましいことをもう少し大きな声で
アナウンスしてほしいと思います。
まとめ
- 水際対策で中国全域、韓国に入国制限を拡大してほしい
- マスクの品薄解消を見える化してほしい
- PCR検査や別の方法の短時間の検査体制も検討してほしい
- 治療方法がないので陽性反応後の行動をアナウンスしてほしい
をすすめていただきたいです。